青龍会本部―――……


それはあたしがずっと気になってた場所。



『もう少し情報を集めてから、再度案を練りましょう。それまでは大人しくしてて、向こうの出方を見るのが得策ですね』



つい二週間前に話し合ったことを思い出す。


正直、こんなに早く―――しかも叔父貴から言い出してくるとは思わなかった。


あたしは目を開いたまま叔父貴の顔を覗き込んだ。


叔父貴は余裕の笑みを湛えていて、そこから何かを読み取ることはできない。


少なくともお墓参りのことに関しては、何かを企んでいる―――ようには見えないけど。


あたしたちがそれを探ろうとしていることも、叔父貴は気付いていない………筈。


あたしはごくりと唾を飲み込むと、


「うん。分かった」と小さく答えた。


いずれ青龍会本部に忍び込むとしても、今はまだ情報が少なすぎる。


あたしが叔父貴と行って、下見してこなきゃ!


3時まであと30分ほどある。


「じゃ、ここで待ってて。あたしはバイトに戻るよ」


叔父貴を見下ろすと、叔父貴はにっこりと笑顔を浮かべ手を離してくれた。





叔父貴はこの笑顔の下で何かを企んでいる。


それはあたしたちにも知らされてないこと。


青龍と白虎の盃を正式に交わす―――その裏に





何かを隠している。