鴇田の体がふらりと傾いた。
え―――?
鴇田が地面に崩れ落ちそうになる瞬間、誰かの腕が伸びてきてあいつの両肩を支えた。
その腕は、確かめるまでもなく、叔父貴のものだった。
叔父貴はひどく真剣な顔で鴇田の顔を覗き込み、鴇田は何かを答えている。
離れた場所からでも分かる。
鴇田の顔は真っ青だった。
な、何―――………?
その只ならない雰囲気に、出て行こうとしたあたしの足は躊躇して、その場で固まったまま動かない。
叔父貴と鴇田は二、三言葉を交わし、やがて叔父貴の肩に鴇田が頭を寄りかからせた。
その両肩を叔父貴が支えている。
なっ
何か色んな意味で妖しい―――!!!
『あいつらいっつもセットだよな。仲良すぎ。デキてるんじゃねぇの?』
戒の言葉が蘇って、そうかもしれない!!なんて考えちまうあたし。
しかも、何か妙にお似合いだし!!
ドキドキしていると、叔父貴と鴇田は正面玄関の入り口に二人して入っていった。
バっバイトの報告どころじゃねぇ!!
イケナイ場面を見てしまった。
そんなわけで慌てて帰ってきちまったわけだけど…



