あいつとの初対面は


今まで以上に最悪で


今まで以上に強烈だった。





彼女は幼い頃から、


親の都合で引っ越す事が


多かった。


1年、同じ地にいるのは


いい方で、ひどい時は


1ヶ月でその地を後に


する事もあった。


そんな彼女はいつもの


様に、中学2年の夏、



新しい町にやって来た。






その町に初めて来た時、


彼女が思った事は


“田舎”


その一言に限る。







緑に囲まれ、川の流れる


音がし、鳥の鳴く声が聞こえる。


滅多に車も通らなかった。