「キョウヘイ・・・。」


「また、お前は

 
 人の机に落書きして。」


「あ・・・うん。」


キョウヘイがレンの


元へ一歩ずつ近寄ってくる。


消さなくては。


消しゴムを持った手を


動かそうとした瞬間、


キョウヘイは言う。


「消すなよ。」


「え・・・。」


さっきまで動いていた手が


不思議と出せなくなった。





キョウヘイがどんどん


近くなっていく。




心臓の音が


ありえない位


鼓動していた。




キョウヘイの


視線が机の上へと移る。






ついに、見られてしまった。