いつか、伝えて





この町で過ごせるのは


あと、もう少しだと言うのに


体は一向に家から出てくれなかった。



それにひきかえ、


引越しの準備は整ってくる。




次の日、レンは重い足で


学校へと向かう。




今日は金曜日、


学校へ通うのも


これが最後だ。



行きたくなくても


絶対に行かなくてはいけない。




「いってきます。」



家を出る時の声がいつもより


暗く小さい事に


母親は気づいていた。








「あ・・・。


 キョウヘイ・・・。」




外に出ると


玄関の前にキョウヘイが立っていた。