いつか、伝えて

レンは今も、


涙をこらえる。




弱い自分が嫌ならば


強い自分になればいい。





強い自分って何なのだろう?




自分のしたい事が


分からなくなっていた。




コンコン、



ドアが叩かれる。



「朝よ。ちょっと入るわね。」



ドアが開き、


廊下の光とともに


母親が顔を出す。



「昨日、お母さん一晩考えたわ。」




「何を?」




「お母さん、わがままだった。


 レンは口に出さなかったけど


 ここに居たいって思っている


 でしょう?キョウヘイくんの


 そばに居たいんでしょう?」