【短編】年上の幼なじみとの関係

最初から私には渉くんしかいなかった。


どんな相談も乗ってくれる。


その時点でおかしいのよ。


無意識とはいえ、渉くんの気を引きたかったんだ。


年の差が邪魔してわけわかんなくて。


「よかった。
夢が本当に叶う。」


渉くんは、ほっとしたようにため息をついた。


「夢?」


「実はさ。
千世が産まれた時、言ったんだよ。
『この子を絶対お嫁さんにする』
ってな。」


スゴい、照れくさそうに言ってくれた。


感激と言うか驚きと言うか。


「私は、ずっと渉くんのモノだったんだね。」


「そう言ってくれると嬉しい。
今までの事が報われる気がする。」


渉くんは、私から視線をはずし、遠くを見た。


てか、報われるって何かな?


さっきの夢の事?



でも、なんか違う気がするし。


まあ、深く問いつめる気はない。


だって、これからもずっと渉くんのそばにいていいってわかったから。


大学は、変更せずにそのままかな?


これで離れたら、ダメになりそう。



幸せになるって怖いから。


だって、幸せよりいい事ってないでしょ?


今日から、幼なじみのお兄さんは、彼氏に変わった。

将来は、彼氏から.....


そう、なれたらいいな。




end