【短編】年上の幼なじみとの関係

「千世、マジわかんないの?
こんな鈍感とは、ビックリなんだけど。」


渉くんが、私を唖然としながら見ている。


そういうのは、わかるのに。


頭がうまく回らない。


「だって、こんな状況初めてだし。
誰ともつきあったことないし。
キスだって、エッチだって、渉くんとしかしたことないし。
そんな恋愛初心者な私にわかるわけないもん。」


泣きたくなるよ。


理解したいのに理解できないなんて。


「じゃあ、ちゃんと言うから、聞いて。」


私は、渉くんのその言葉に頷いた。


「さっきも言ったけど。
俺は、千世がずっと好きだった。
ロリコンなんじゃないかって悩んだときもあった。
けど、千世以外の子には、ドキドキしないから。
千世だけが特別なんだ。
それは、今も変わらない。」


好きって、恋愛の好きだったの?


てっきり、幼なじみとして好きで、申し訳なくてつきあってると言ったんだと思った。


「渉くん、私、スゴい勘違いしてたみたい。」


なんか泣きそう。


まどろっこしく考えないで、単純に考えればよかったんだ。


そしたら、聞いていたかもしれない。


私って、バカだな。



「千世、なにがだ?」


不安げに聞く渉くん。


「だって、私が聞けばよかったんだよ。
私だってずっと渉くんが好きなんだから。」


初心者なら、初心者なりに悩まず聞くべきだったんだ。