元素記号

多分、咲も
なんとも言えない気持ちだったんだと思う。
その日から
別に無視しあった訳ではないけど、
クラスでも
部活でも
前ほど話さなくなっていった。


そうこうしているうちに
大会当日になってしまった。


やっぱり
咲とはぎくしゃくしたまま…。
投球練習をしてる時も
ほとんど口をきかない。

咲は純粋で明るい性格で
常にみんなと
わいわいしていた。
一方、私は
口うるさく陰があり
冷たい性格で
一人でいるのが好きという
変わった人であるため
あまりみんなと
騒ぐという事がなかった。

今日も
私は次期キャプテンになるであろう
鈴木沙織と空き時間に
キャッチボールを
していると、
試合前とは思えぬ
馬鹿笑いが聞こえる。
見てみると
咲やチームメイトだ。


私はそんな事が
許せないから

｢馬鹿笑いしてんじゃねぇよ！試合前だぞ。集中しろよ!!｣