元素記号

何も言わなきゃよかった。

しかも今日は
背番号が渡される。



「集合!!」



キャプテンの先輩が言う。
みんな駆け寄る。


「じゃぁ、昨日言ったように背番号配るから。」

「はい。キャプテン10番、
2番松田…」
先輩方に続いて
残った背番号は
エースを表す1番と
私達2人のもう一つの本職であるレフトを表す7番。
「1番…え〜、金田咲…、7番…小澤綾乃…。」


そうか…、
そうか…、
そうだよね?

浮かれてたし…。

たいしたやつじゃないのに、
のぼせ上がってたから…。

「それぞれ、思う事があると思うけど、一人一人、意味があるんだから、全員でソフトボールをするんだぞ」


ショックだったわけではない。
…と、思う…。
ただ
なんとも言えない気持ちになった。