恋わずらい



雨は、やまない。


それどころか
さっきよりもひどくなってる。

だんだん激しくなって、
傘に落ちる粒の音で
踏切の音も、人の声さえも聞こえずに。

アスファルトを雨が跳ねて
足首が冷たい。


あー、これって
憂鬱ってやつ?


傘を見るたび
幸せそうに笑う葵先輩が浮かんだ。


好きな人がいたら、
こんな雨の日でも相合い傘なんてする
楽しみが出来るのだろうか。