大塚と神崎 +



そう悶々としていたある日。



「高橋さん…唇、可愛いね」

成瀬くんにそう言われた。


ほんとに急に言われたものだから心臓がばくばく。

気付いてもらえたし、可愛いって言って貰えたし、ドキドキしないわけがないよ。



「あ、ありがとう! リップ替えたんだ…」

「そうなんだ!似合ってるね、可愛い」



そう言って指先で成瀬くんは私の唇を撫でた。

いつものスキンシップにはないその仕草にさらにドキッとする。



(成瀬君、キスしたくなった?)



リップには"キスしたくなる唇"なんてキャッチフレーズが書かれていたけど、

ほんとうにほんとうにキスしたくなってくれた、かな…?



「高橋さん」

「は、はいっ!?」


いつもよりずっと低い声で囁いて、

成瀬くんは少し屈んで私に顔を近づける…