大塚と神崎 +


じめじめとした梅雨の時期


湿気でべとべと長く伸ばした髪の毛が鬱陶しい…

たまには結ってみようなかなと思い立って、ポーチのなかからくしやらゴムやらヘアピンやらを取り出す。


そして現在、大きな鏡を前に悪戦苦闘中。

纏まらない髪の毛に、自分の不器用さを思い知る。


(普段は体育の時に横で簡単に結うだけだしなぁ)

なんて心の中でいいわけもしてみる。


しかし目の前の男の視線がそれで和らぐわけじゃなかった…。

綺麗に結おうとして逆にぐちゃぐちゃになる私の髪の毛に、神埼は先程から残念そうな視線を私に向けるのだ。



「難しいんだもん!どうせ私は不器用ですよ!!」

視線に耐えきれずそう不満を漏らすと、神崎は溜め息を一つ。


そして、

「貸してみろ」と、席を立ちながら私のくしを奪った。