「今度はなに?」 そう聞いてみたものの、すぐ後悔した。 悪戯を思いついたと言いたげに、真っ黒な瞳がらんらんと輝くそれは少年のような純粋さがあるのに、口をニヤリと吊り上げてるから台無しにしている。 「手、離して」 「あのさあ」 「あれ。流された」 「爪、このまんまじゃ二枚爪になりやすくなるよ? だからさ」 あ、なんだろ。やっぱり嫌な予感しかしない。 「爪、整えてあげる」 なにこの輝かしい素敵笑顔。