恋愛事情

∽真優花の過去7∽


何が起きたのか
わからないけど

美鈴なら、きっと
わかってくれる…


そんな思いで

美鈴の教室まで
ダッシュした。


ドキドキしながら
教室を覗くと


美鈴は

すぐにあたしを見つけて
駆け寄って来た。


「はぁ…はぁっ…美鈴!」


『真優花…どうしたの?
もうすぐ授業始まるよ?』


美鈴は、普段通りの笑顔で
答えてくれた。


それだけで、ホッとする…


「美鈴…昨日、何か
変なメール来なかった?」


『変なメール?
来ないけど…どうして?』


「あのね…」


その時、ベルが鳴った。


『あー鳴っちゃったよ。
真優花、授業終わったら
また話そ?』


「うん…」



ホントは、すぐにでも
聞いて欲しかったけど…

仕方なく教室に戻った。


とにかく良かった…

今は、美鈴だけが

あたしの希望みたいに
思える。



授業が終わると、すぐに
美鈴のクラスに向かった。


ドアから覗くと

教室の隅の方で、
誰かと話す美鈴を見つけ


名前を呼ぼうとして
ハッとした。


美鈴と話してる相手が

今朝、下駄箱で会った
あの子だったから…

しかも彼女は

手にした携帯を
美鈴に見せようとしていた。


ドキン、ドキン、と
胸の鼓動が速まる…


声を掛けられないまま
しばらく見ていると

彼女の携帯を覗き込んだ
美鈴の表情が

一瞬、こわ張った。


更に激しくなった心音が
あたしの全身に響き渡る…


それから2人は
あたしの姿に気付いたけど

気まずそうな顔で
視線を逸らすと


奥のドアから
ベランダへ出てしまった。


そうして

あたしの希望は
ガラガラと崩れ落ちた…