「どうして…
そう思ったわけ?」
彼は
優しく微笑みながら
あたしを
まっすぐに見つめて
言った。
彼は、いつでも
あたしと
まっすぐ向き合おうと
してくれるのに…
あたしは
逃げてばっかりだ。
こんなんじゃ…
ダメだよね。
そう、自分に言い聞かせて
あたしは話し始めた。
「金曜の放課後…
悠斗の事を好きって言う
女の子と…話したの。」
「…それで…?」
「その子は
あたしなんかより
ずーっと前から…
悠斗の事が好きで
すごく綺麗で、
大人っぽくて…
かなわないって思ったら
なんか、焦っちゃって…」
「どうして…
かなわない
なんて思うかなーっ?
他の子が
どんなでも関係ないだろ?
俺が好きなのは
真優花なんだからさ。
もっと、自分に
自信を持てよっ…」
そう言って彼は
手を伸ばすと
あたしの頭を
優しく撫でた。
「あのさ…俺って、やっぱ
そんなに怖いかなー?」
「え…?」
「真優花さ…
俺が、ちょっと動くと
その度にいつも、
ビクッってなってるから…
俺って、暴力的なイメージ
あるのかなー?って…」
「そんなこと無いっ!
あたしが…怖がりなだけ…
悠斗は悪くないよ。
ごめんなさい…」
彼は
また優しく笑う…
「いちいち
謝らなくていいよ。
俺って…デカいからなー
真優花を
怖がらせないように
なるべくゆっくり動くよ。
で
他にも…何か心配事とか
不安な事とか…ある?」
「あ…」
あたしは
しばらく考えた後
彼の目を見て
口を開いた…
