「…バカだなーっ!
真優花は…」
「え…?」
驚いて顔を上げると
彼は少し寂しそうに笑った
「俺…
真優花以外の女子に
恋愛感情なんか
持たないし…
だからー…ヤキモチなんか
妬かなくていいのっ!」
そう言いながら
あたしの頭を
優しく
ポンポンと…叩いた。
「…ど…して…?」
「ん…?」
「悠斗は、どうして…
そう言い切れるの?
どうして、あたしと…
付き合ってるの?」
「…どうしたの?急に…
誰かに、何か言われた?
それとも…何かあった?」
彼の心配そうな顔を見て
言った事を後悔する…
あたし…バカだ。
紺野さんのこと…
気にしすぎて
変な事聞いちゃったよ…
「真優花…?」
「ごめんね…何でもない!
…さっ…寒くないっ?」
…なんて
ヘタなごまかし方を
してしまった。
次の瞬間…
あたしの足は
地面を離れ
フワリと浮いた…
「ひゃっ…!?」
一瞬…何が起きたのか
わからなかった。
気が付くと…
目の前には
彼の顔があって…
「え…ええっ?
ちょっと…和野くんっ!」
彼は、あたしの体を
両手で抱え上げていた。
いわゆる…
お姫様だっこ…?
「あーあ!
また和野って言ったー!
今のは間違なく
レッドカードだなー」
彼は
楽しそうに、そう言うと…
あたしを抱えたまま
スタスタと歩き始めた。
「待って!これ…なにっ?
ねぇ…下ろして…
お願いっ!!」
「イヤだね。
…寒いって言ったろ?
俺が、あっためてやるよ」
はぁ…???
