恋愛事情



「いえ…あたしの方が

たくさん、お世話に
なってるんですよ?」



『…いつも悠斗が

真優花ちゃんの事
話してくれるの…

私、楽しみにしてるのよ』


「はぁ……え??」


いつもって…

和野くん…
どんな事、話してるの?



チラリと横を見ると…


真っ赤になってる
和野くんの顔…


和野くんのお母さんは

にっこり笑って言った。



『悠斗…
今日はもういいから…

真優花ちゃんと

食事にでも行きなさいよ。
ほら…』


その手には
お金が握られていた。


「いや…
金なら持ってるから…」


「あの!あたしなら全然…
そんなに
気をつかわないで…

せっかく来たんだし…

和野く…
悠斗くんは、もう少し…」


『ダーメッ!せっかくの
日曜日なんだから…

ゆっくり
デートしてきなさい!』



彼のお母さんは

思ったより

強引だった…




優しく押し切られて


あたし達は病院を出た…