病院の入口で待っていた
和野くんに…
両親を会わせると
和野くんは
緊張しながらも
にこやかに挨拶を済ませ
病室に案内してくれた。
病室には
和野くんのお父さんと
果倫ちゃんも来ていた。
なんだか混雑した中で
お互いの両親が
挨拶を済ませて…
あたしが果倫ちゃんと
話していると…
うちの両親が
帰ると言い出した。
まだ
和野くんのお母さんと
ゆっくり話せてないのに…
廊下に出た両親を追うと
『あら…私達は帰るけど
真優花は
ゆっくりして来なさい?』
「え…いいの?」
『悠斗くん…なかなか
感じのいい男じゃないか…
父さんも、少し安心したよ
ただ…何かあったら、
すぐ連絡するんだぞ?』
「わかった…ありがとう
お父さん、お母さん。」
両親を見送ると
もう一度病室に戻った。
和野くんのお父さんと
果倫ちゃんが
『売店行って来るねー』
と、病室を出て行った。
病室には
和野くんのお母さんと
和野くんと、あたし…
「あの…すみません。
うちの両親まで
お邪魔してしまって…
煩かったでしょ?」
『いいえ。
賑やかで楽しかった…
素敵なご両親ね』
和野くんのお母さんは
とっても綺麗…というか
可愛らしい感じの人だった
やわらかい物腰に
屈託ない笑顔…
和野くんや果倫ちゃんと
同じ笑い方で…
なんだか癒される…
『果倫から聞いたの…
女の子の、もうひとつの
誕生日の話…
さっきの、お母様が…?』
「あ…はい。
ちょうど果倫ちゃんと
同じ歳くらいの頃…
母が、話してくれました」
『ごめんなさいね…
私が果倫にしてあげなきゃ
いけなかったことを…
全部やってくれたみたいで
あの子もすごく喜んでたし
本当に…ありがとう』
「そっ、そんなっ
あたしは…何も…」
『果倫だけじゃなくて
悠斗も、お世話になってるみたいだし…』
