恋愛事情



ポテトとドリンクを買って

窓際のカウンターに座ると


2人同時に
ふーっとため息をつく…


りっちゃんと目が合って
お互いに笑った…



「あの…アズって子…
同じ学校だったの?」


りっちゃんは

窓の外を見ながら


ボソボソと話し始めた…



『アズ…紺野 梓ね。

隣の中学だったんだけどさ

うちのサッカー部って
結構有名だったから
いつも見に来てて…

その中でも…和野の
熱狂的ファンだったの。

うちの高校入ったのも
和野目当てらしいけど…』


「そっか…

でも、そんなに好きなのに

中学の時は…
告白しなかったのかな?」


りっちゃんは

少し黙り込んでから…



言いにくそうに口を開いた



『…彼女…いたからさ…

その頃の和野…』


「そっか…」


平静を装って返事したけど


心の中はどうしようもなく

ざわついていた。


わかってたことなのに…


どうしてこんなに

胸が痛むんだろ…?




『真優花…大丈夫?』


りっちゃんが心配そうに
あたしを見る。


「平気だよっ?

それにしても
紺野さんって…彼女いても
関係ないって感じなのに…

昔は違ってたのかな…?」


『んー…和野の彼女って
年上だったから…

1こ上の先輩で
しかも…サッカー部の
マネージャーだったんだ…

さすがに
気の強いあの子でも

言えなかったんじゃ
ないかなー?


ま、そうじゃなくても
かなり睨まれてたからねー

あの子目立ってたし…』


「そう…なんだ…」



曖昧な相槌を打ちながら…

あたしの頭の中には

紺野さんの事よりも…


和野くんの

元カノの事を


もっと知りたい

って気持ちが



膨らんでいった…