話って…何だろ…?
クラス委員のことなら
教室で話すはずだし…
それにしても…
どうしてこんな場所に…?
そこは
屋上に繋がる非常階段の
一番上のスペースだった
この校舎に
屋上に行く階段は
2つあって
普段みんなは
もうひとつの階段から
屋上に上がってる
この非常階段は
少し薄暗いし不気味なので
あまり利用する人は
いなかった…
この上で
和野くんが待ってる…
そう思うと
急にドキドキし始めた…
こんな場所に呼び出すって
どんな話し…?
ゆっくりと
一段ずつ
足を進める…
そのたびに、鼓動が
速まるのを感じながら…
「あ…相澤さん…」
和野くんは
その薄暗い場所に
壁にもたれて
ひっそりと座っていた
屋上へ出る為の
鉄の扉の小さな窓から
ほんの少し差し込む光が
和野くんの笑顔を
照らし出している…
まるで
そこだけが
別の空間みたいに
優しい雰囲気に包まれて
とても
眩しかった…
「相澤さん…?」
「あ…」
「大丈夫?
なんか
ボーッとしてたけど…」
「あ…うん、ごめん…」
「いや、いいよ…」
和野くんは優しく笑った…
「俺に…相談って
どんなこと…?」
え…?
ええ…??
あたしは
わけがわからなくなって…
一旦
後ろを向いた
待って待って…
ちょっと待てよ…
この展開は…
漫画やドラマで
たまに見掛ける…
つまり
お互い騙された…って事?
でも
和野くんは、まだ
気付いてない…
あたし
どうすればいいの…?
