和野くんが
帰って来て最初に見たのは
この家に
いるはずの無い
あたしがいて…
よりによって
彼の妹に
パンツを穿かせてる姿…
しかも
あたしは、果倫ちゃんを
お風呂に入れる時に
濡れると困るから
制服を
脱いでいた…
つまり…
今
あたしは
下着姿なわけで…
一瞬
3人共が
凍り付いたように
動きを止めた…
そして
ほぼ同時に
ハッとして
一番に動いたのは
果倫ちゃんだった
『やだぁっ!お兄ちゃん
見ないでよぉっ!!』
果倫ちゃんは
手元にあった何かを
素早く和野くんに
投げ付けた…
「ごめんっ!」
そう言って和野くんは
慌てて居間を出ると
戸を閉めた
果倫ちゃんに
急いでショーツとズボンを
穿かせて
あたしも
大急ぎで制服を着た
深呼吸して…
和野くんがいる方向に
目をやると…
戸の手前に
ナプキンが1つ落ちている
「あれ…?こんな所に…」
え…?
果倫ちゃんが
さっき咄嗟に投げたのは
あたしのナプキンポーチ
だったんだ…?
ポーチには
みんなのナプキンを
まとめて入れておいた
ここにひとつあるって事は
ポーチと残りのナプキンは
和野くんと一緒に
戸の向こうに…
行っちゃったんだ…
