あたしは
思い出していた…
あの時、お母さんが
話してくれた事を…
「もうひとつの…
誕生日って…?」
『その前に…
生理が来たって事は
真優花の体が
大人になるための準備を
始めたって事なの…
学校で少しは習ったよね』
「うん。でも…真優花
まだ子どもでいいもん…
赤ちゃん…いらないよ?」
『そうね…今はね…
でも
真優花言ってたでしょ?
いつかパパみたいな人と
結婚して
素敵なママになるって』
「いつかって…
もっと大人になってからの
話だよ?」
『じゃあ…真優花が今
人とおしゃべりしたり
歩いたり走ったり
書いたり読んだり…
色んな事ができるのは
どうしてかな?
ちっちゃな頃から真優花が
頑張って勉強したから
できるんだよね?
生まれた時からできてた
わけじゃないでしょう?』
「そんなの…
あたりまえだよ
赤ちゃんだったんだから」
『ママになるのも
同じ事だよ』
「…?」
『みんな、いきなり
素敵なママに
なれるわけじゃないの…
素敵なママになる為には
まず、いっぱい勉強して
色んな経験積み重ねて
体だけじゃなくて、心も…
少しずつ成長するの。
そして好きな人と結婚して
子どもができて…
子どもに愛情
たっぷり注いで…
少しずつ素敵なママに
近付いていくの。
素敵なママになれるまでの
長い長い道のりの中では
真優花は
まだ生まれたばかりの
赤ちゃんなんだよ…
だから…
今日は真優花の
素敵な大人になるための
…誕生日』
あの時は…まだ
よく、わからなかったけど
少しずつ
わかってきたような
気がするんだ…
いつか、あたしも
お母さんみたいな
素敵なママになれるかな…
