「生徒会室に用があってさ、近くまで来たから寄ってみたんだ。劇の練習中?」
「はい!」
元気に返事をすると、クスッと笑われた。
「兎役なんだ?」
「え、何で分かったんですか!?私何も言ってなかったのに……」
「格好見れば嫌でも分かりますって」
月江の言葉で思い出した。
私今、うさぎちゃんだった!!!は、恥ずかしいっ……
でも咲斗先輩は笑顔で頭を撫でてくれた。
「似合うじゃん」
…………
「きゅーーーーん!!!」
「え、今の褒めてたんですか?」
先輩が言ってくれたんだから、何でも嬉しいの!
なんかもうムカつく後輩とかテキトーな部長とかどうでもよくなってきた。兎最高!
誰が見ても分かるくらいデレデレしていると、呆れ顔の部長が私の隣に立った。
腕を前で組んで、少々機嫌が悪そうな雰囲気。
「何だお前」
咲斗先輩に向かって言い放った。
「何って、3年の近藤咲斗先輩ですよ!!
成績優秀、容姿端麗、生徒会役員でバスケ部副キャプテンというなんとも素晴らしきお方で」
「そういうことを聞いてるんじゃない。
今、我ら演劇部は超真剣に練習しているところだ。
邪魔をしに来たのか?」
真剣に練習って、寄ってたかって私を馬鹿にしていじっていただけじゃないですか!
と、先程のように叫ぼうとしたが、先輩の手前そんながさつな行動なんてできず、こっそり部長を睨む。
「ああ、ごめんごめん部長さん。
邪魔なんてそんな。生徒会役員として、頑張る演劇部さんを応援に来たんですよ」
笑いながら部長の肩を軽く叩く先輩。
な、なんて優しいんだあなたは!!
しかし部長にはそんな笑顔も通用しないらしく
「応援?そんなことする暇があるなら我が部に回す部費を増やしてくれる方が100倍嬉しいな」
「あははは」
部長の睨みを難無くかわして爽やかに笑う先輩、素敵っ!!
