太陽の輝く世界

空中を舞うように

落ちてゆくそれを見ながら

わたしは答えた。

「相馬 優芽(そうま ゆめ)」

「優芽…」

「…?」

「またな」

「あ、うん」

彼、いや、諒介はわたしに背を

向けて、手をヒラヒラと

動かす。

「…」

こんな時、普通は

〝ばいばい〟とか〝またね〟って

可愛らしく挨拶して別れるもの

なんだろうけど、わたしにはそれが

できなかった。