いきなり発せられた

彼の言葉に、しばらく

声が出なかった。

「ちょっと前に、そこの窓から

浮かない顔してこの花見てた

あんた見て、ずっと気に

なってた」

「…」

「穏やかなようで、どこか

哀しげ」

その時、何もかもが

彼に見抜かれてる気がした。