「奏、聞いた?
蓮ちゃんが渓ちゃんの高校合格したって」
夕飯の時何気無くお母さんが言った
「あ…そうなんだ」
蓮、合格したんだ
蓮には悪いけどうっかり忘れてた。
…ってことは
蓮はまた渓ちゃんの制服に袖を通すのか
嬉しいけど少し複雑
またボタン貰えないや
私は蓮の高校合格で少しづつ、確実に近付いて来る三月を実感した
前を見なきゃいけない
「何かお祝いしなきゃね、渓ちゃんと蓮ちゃんの」
「あ…じゃああたし明日蓮達に予定聞いてくるよ」
すかさず私はそう言った
渓ちゃんに会いたいから
謝ったり…
言いたいことが沢山あるから