起こせなかった
一緒に年を明けたかったけど
この顔を見たら、身体が拒否した
する事もなくただ茫然とブランコに揺られて
ふと携帯を開けてみたら既に新年を迎えていた
近くお寺から除夜の鐘が聞こえた
「…………明けたね
おめでと、渓ちゃん」
渓ちゃんはまだ寝てる
年、明けたのに
結局この日渓ちゃんが私に会った理由は分からなかった
目を覚ました渓ちゃんは
余計な言葉は何も言わず私を家まで送ってくれた
「ねぇねぇ」
「…ん?」
「……………いや、なんでもない
じゃあね」
『何で……?』
そう聞きたかった
でも答えが怖くて息を止めた
今の私には聞けない