「奏も損な女だね」
「……え?」
「遠慮しすぎだって、先輩に。
彼氏は頼る為に存在してんだから思いっ切り頼んなよ」
久しぶりに
由希子に
どストレートの球を投げられた
相変わらず思ったまま直球だけど
否定出来ないから私は頷いてしまう
「先輩が側にいるのもあと少しなんだしさ…
春になったら毎日会える訳じゃないんだよ?
奏のパターンだと絶~っ対後悔する!」
いつもそうだった
小さい頃から消極的で何も出来ないまま終わって後悔ばかり
17歳になった今も全然成長していない
由希子はよく知ってる
渓ちゃん並に長い付き合いだから