「……という訳だから! 渓みたいないい男そうそういないんだから、 手放しちゃ駄目だよ~?」 彩美さんは私の手を取って言った …手放したりはしない 渓ちゃんが私を手放すまでは その時は 黙って諦める 私は心の中でそう唱えた 「ゆっくりでいいんだよ」 「ゆっくり…」 「急いだって何にもなんないからね」