「ごめんね………


あたしは………渓ちゃんだけだからね?」


「分かってる」




微かに口角を上げて笑って
私の頭を優しく撫でた


久しぶりだな…頭、撫でてくれたのは




この手に
しばらく触れられることはないんだ






私と渓ちゃんは


互いの時間を持つ事にした





距離を置くなんて言い方はしたくない



今まで…渓ちゃんが受験に励んでる間の会えなかった時間は
距離を置いてた訳じゃない

ずっと渓ちゃんの事を考えていたし

考えずにはいられなかった



今は違う


一回渓ちゃんを忘れて

自分の為に過ごす期間


いつまで続くか分からない




今日の夜中、渓ちゃんに電話しちゃうかも分からない

やっぱり無理だよって

言っちゃうかも知れない