私の中で完全に一点に集中した
「今……お兄さんは?」
私がそう聞くと
由里亜さんの頬から微かに涙が伝った
「ヒロトなぁ…………
会えへんくなってもうたわ」
「会えなくなった…?」
「『由里亜は心配するな』って言うて…連絡取れへんくなってん
あたし…………
ホンマに奏ちゃんが羨ましい。奏ちゃんみたいな普通な幸せが欲しかったのになぁ…」
表情も感情も何もない
普通の幸せ…か
由里亜さんに比べたら
私の不安なんて
話にならないくらいなのかな
死にたくなるぐらいなんて
私はならないから
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