「取り敢えず…病院。
病院行きましょう、由里亜さん。」

「…………大丈夫や
大した事あれへんし」


「そんな、大丈夫な訳……」





由里亜さんは右手で私の手を掴んだ















「奏ちゃん…………神様は不公平や」

「…………え?」





声が震えている

こんな弱々しい由里亜さんは初めてだった


この人は………由里亜さんなんかじゃない


由里亜さんなんかじゃ…


「どう…したんですか?」



私の問い掛けに由里亜さんは

思いもしない答えをしたんだ










「あたしな………




ヒロトの事…ずっと好きやってん」