「来てくれて…有り難う」

「ううん、私何にも出来ないから…」

「そんな事ないよ、


あたし、奏に謝らなくちゃいけない」


「え…?」

「自分の都合で沢山奏の事傷つけちゃった

奏は一番大事な友達なのに…



本当にごめん

あたし奏の事大好きだよ?だから心配かけたくなかったの…」






由希子の言葉を聞いて知らない間に私は泣いていた

由希子からの言葉がこんなに優しいものだなんて



ずっと一緒だったけど
こんな由希子は初めてかも知れない
「ごめんね」って言ったのも初めてかもね




こんな駄目駄目な私と友達でいてくれて、

美人で、たまに突拍子もない事言うけど、気持ちはいっつもストレートで


優しい由希子が




そんな由希子が大好き






「私も…何も力になれなくてっ…………本当にごめんね」

「ううん、奏がいなかったら私…もう駄目だった
奏のメールとか留守電がなかったらこんな冷静でいられなかったよ

私・・また少し忌引で学校来れないけど
また一緒にご飯食べよ?


ほら…もう泣かない、
私はもう大丈夫だから」




由希子は強い

そしてまた一段と心は大人になった



由希子の方が辛いのに私をかばえるなんて





私もいい加減学ばなきゃいけないな………




「逢沢先輩も…わざわざすいませんでした」

「いや…俺は全然」

「奏は・・・・

奏は泣き虫で根が弱いから大変かも知れませんけど
奏の事一番分かってると思うんで

幸せにしてあげて下さい」




由希子のその言葉に渓ちゃんは何も言わずに微笑んで頷いた



…私はもう大丈夫

由希子が…渓ちゃんがいれば


私は頑張れる



それから由希子を支える




時には甘えちゃうかも知れないけど
それは一人じゃないって証拠


由希子には天国のおじさんもいる


一緒に頑張ろうね…