「奏は…由希子ちゃんの事好きなんだろ?」
「え、………うん」
「それなら信じろ
そんな奏、奏じゃねぇぞ~」
…こんな時は
渓ちゃんのマイペースさが何よりも私の救いになる
優しい言葉に…優しい手の温もりに
不安定に揺れていた私の心臓は少しづつ落ち着きを取り戻した
由希子、やっぱりあたしは
由希子の一番でありたい
私が由希子の為に出来る事なんて、由希子が私の為に出来る事の一握りにも過ぎないと思うけど
それでも由希子が迷惑じゃなかったら
「由希子の…側にいていいのかな」
「ん、それでよし
由希子ちゃんの父ちゃん
早く治るといいな」
「うん…」