あたし達はただ今、修学旅行中!!
・・・・・・とは言ってもまだまだ行きのバスの中だけどね。
「ふわぁー・・・・・・眠ーい。」
「えぇぇ!!もぅ!?早くね?」
「だ、だってぇ!!」
眠ーい目をこすりながら、頑張って答えるあたし。
「張りきりすぎちゃって4時に起きちゃったんだもん。」
「はぁ!?出発7時30分だし。」

そんな眠いあたしの話にツッコミを入れてくるのは、あたしの大好きな前葉悠太!!
それで、あたしは前葉ひな。
栗色のショートカットに小さな背。それがあたし。
・・・・・・!!!
何か凄くない!?
好きな人と同じ名字だよ?
こんな事、めったにないよね?
「・・・・・・もーし。」
ん?
「・・・・・・しもーし。」
何?
「もしもーし。」
「ぅわ!!な、な、な、何!?」
「あ、いや。別に用はないけど、ぼーっとしてたから。」
「あぁ!!ゴメン!!」
「どーしたの?」
悠太が顔をグッと近づけてくる。
「な、何でもないよ!!」
「ホント?」
「ほ、ホント、ホント!!」
「んならいいけど。」
あたしは、静かに背もたれにもたれかかる。
「ねぇー。優太ぁ、ついたらどーする?」
「んー、さぁ。」
「つっめたいなぁ!!」

姫野のの
背がスラッと高く、腰まである長い黒髪がとても綺麗。
でも、少しぶりっ子。
「あのねぇ、のの渋谷行きたぁい!!」
「はいはい、分かった分かった。」
「んもぅ!!」
ののちゃんは、ほっぺたをぷくーっと膨らませた。
「ひっどぉい!!」
・・・・・・んん??
まてよ。
何であたしの隣、いや悠太の隣にののちゃんがいるわけー!?
し、し、し、しかも!!あたしの大事な大事な悠太に、抱きついているのだぁー!!
「おい!!のの!!ウチはあんたが、悠太の事がどんだけ好きかよーく分かってる。でも・・・・・・」
「「さっさと戻れー!!」でしょ?華耶。」

松本華耶
ののと同じく、背が高い。
肩よりも少し長い茶色の髪が光で輝いて見える。
誰もが認める美人。
「分かってるなら、さっさと戻れ。」
ん?
今、なんて言った?

『悠太の事が好き』・・・・・・?