『それでも受け取ってほしい。あの時は悪いと思ったから。』 詩音は優しい口調で答えた。 「だったら遠慮なく頂きます。」 『その方が助かる!』 「…とう」 『えっ?』 「ありがとうございます!」 『どう致しまして。じゃ俺、仕事があるから!』 詩音はクスッと笑って答えた。 「そでした!忙しい時にすみません。」 『良いよ。小梅が素直にお礼を言うなんて初めてだし。』 「失礼な!私はいつでも素直です。」 『そうだったな。じゃな!』 詩音は、爽やかな青年のように電話を切った。