いつもと同じ朝―― 



今日もあの人に会えますように… 



そう願いながら、駅の階段を小走りに駆け上がる。  



あの人のいる2両目へと――。 



  ――満員電車――



身体と身体とが密着して、思うように身動きが取れない。



手にしていたバッグが、遥か遠くの方に持っていかれそう――。



壁のような大きな身体に挟まれて、息ができない。