満員電車の君

気が付けば、私の降りる駅はもうすぐ。 



昨日と同じように、彼を追って乗り過ごすわけにはいかない。



…ホントは、行きたいけれど。  



そんなことを考えているうちに、電車はホームに滑り込んだ。 



「さっ、降りるよ!」



と、突然、腕を掴まれ、席を立つよう促された。



「……?」