満員電車の君

「ここ、座って!」


と、彼の座席に座るよう促された。 



「えっ?いいですよ。私は大丈夫ですから」と、遠慮するが、



「いいからいいから、早く!」と、腕を掴まれ、座らせられた。



周りの視線がすごく気になったけれど、



あの人が、優しく微笑むから…… 



私の体は、頭のてっぺんから爪先まで、電気がビリビリと走ったような感じだった。