ぼうっと空を仰ぐ。


校舎の一番端にある会議室。


風通しのいい、この教室は俺だけの一人になれる穴場のスポットだった。



他の教室に無断で入ることは禁止されているが
担任にここなら集中できる、と使うことを特別に許可してもらった。



そんな教室を俺はよくサボるときに使っている。






「東野・・・・・・」






何度目か分からない。



何度も同じ名前を呼んだ。






東野と会って、話をしてみたい。




実紅に言ってみよ。



きっとアイツならなんとかしてくれる。






白い雲がゆっくりと流れる空に手をのばす。



自然と身体も前に出る。