「あと一週間で体育大会~」





そんなこと分かってる。


毎朝担任が呪文のようにカウントダウンしているのだから。



いつも以上にテンションが高い彰吾にイラつきながら、机にうつぶせる俺。





「俺すっごい活躍するから~すっげぇモテちゃうかもよ?」





ナルシ発言をする彰吾を冷たく睨む。



たしかにコイツは足が速い。


短距離も速いが、なんといっても長距離。





「睨むなって!さらに怖ぇよ」




「ゴメンナサイネー」





テキトーに返してポケットにはいっている携帯を出す。



中学校時代の陸上大会のときに見た、劇的なあの走りは忘れない。

圧倒的な速さに驚いたのを今でも覚えている。