「無事でよかった。襟沢さん」


 もうだいぶ刺客にもなれて彼女を抱っこするのも慣れた。


「襟沢さんって…軽いよね。ちゃんと食べてる?」


「か…軽くないですよ!」


「軽い。俺、腕痛くねえもん」


 すると背後から…ぎゅっと抱きしめられた。


「え…襟沢さん?」


 俺の鼓動は最骨頂。
 この鼓動聞こえてしまうのでは…。


「なんで?」


 なんでって何が?