俺は肩を震わせて慟哭した。


 俺の腕には愛おしい彼女。


 そっと頬を撫でて……。


「里衣…ちゃん…」


 初めて泣いた。


 彼女を亡くして泣いた。


 命かけて…と誓ったのに守れなかった。


「りっ…里衣ちゃん…」


 俺の頬には幾本もの涙がこぼれおちた。
 そして…そのこぼれおちた涙は里衣ちゃんの頬へ。


 白く、冷たくなった里衣ちゃん。


 数時間前のことを思い出す。


「嫌だ!あたし…林くんと一緒にいる…!」


「だめだ!逃げなきゃ…!」


 死なせたくない。