恭はふっと笑う。
 

 「まだまだ…100回には
 遠いね~まあ~
 がんばってね~♪
 じゃあ~また…明日…
 此処で待ってる」


 恭は私の頭を撫でて
 脇を通り過ぎる。



 撫でられた頭に手を当てて
 恭の手の温みを感じて含み笑い。
 



 一人…残された誰も居ない
 図書館の地下書庫。


 恭の階段を上がる音だけが
 静寂の書庫内に響く。