友達でいたかったの【短編】


「あ〜!ダメだよ、こーちゃん!」



「は?」



「こーちゃんは頭って言ったじゃん!私のよりおっきくなってる!」



確かに俺が作った“頭”は沙羅の作る“胴体”の二倍近くの大きさになっていた。



「もういいよ。私のやつ頭にするから」



沙羅はちょっと不機嫌そうにそう言うと雪だるまを完成させて目の前の家の塀の上に置いた。



「なんでここの家なんだよ?」



「え?」



「前もその塀の上に置いてたじゃん」



そう、沙羅が雪だるまを置いた家は前に沙羅のあとをつけたときにもそうした家だった。