「じゃぁ今日はもう帰るね」


そう言って病室を出る

水姫がちょっと寂しそうな顔をしてた

と思ったのは私の自惚れかな・・・?

窓の外はもう紺色で星もでていた


「千咲ちゃん、送るよ」


洸太郎の言葉に甘えて家まで送ってもらう

帰り道他愛もない話をして

気づけばもう家の前


「今日はありがとうございました!」


「全然いいよ

 ・・・あっ!

 そういえば、千咲ちゃん家庭教師どうするの?

 水姫入院してるし」


そっか

水姫は入院してるんだ・・・

それまで・・・


「それでさー

 よかったら、俺が代わりしていい?

 水姫が退院するまでの間だけど」


洸太郎が先生!?

ありがたいけど・・・

ちゃんと教えてくれなさそう・・・


「じゃぁそういう事で!」


「え!?」


それだけを言い残すと

洸太郎はもういなくなっていた

大丈夫かなぁ・・・

ま、いっか



「ただいま~」


そんな安易な考えで

あんな事になってしまうなんて

私は考えもしなかった

いや、薄々は気づいてた・・・


*