ぎゅうぎゅうになって取ったプリはいかにも変がおみたいで、思わず笑ってしまった。

けど・・・市川くんとの初めての記念となったことがすごくすごく嬉しくて、一生大事にしようと思った。

私の顔は最悪だけど・・・。

時計をみると、もう6時。

そろそろ帰んなきゃ。

「あっ私もう、帰んないと。」

「そっか、ゆま今日、塾だったよね。」

「うん。」

「ってかもう6時だから、みんな帰ったほうがいいよね。帰ろっか。」

そうして、楽しいひとときが終わった。

このまま、楽しいで終わりたかった。

けど・・・

「市川先輩!」

後ろから、手を振りながら、かわいい女の子が市川くんのことをよんだ。

「あっ・・・・。」

市川くんは手を軽く上げた。

えっ・・・・・。

市川くんって兄妹いないんだよね・・・。

ってことは、かの・・・じょ・・・?

「あんた誰?」

美香が怒ったような顔で言った。

「あっ自己紹介遅れてすいません。同じ中学の一年の香莉です。いちおう市川先輩の彼女ですっ(笑)」

かの・・・じょ。

市川くんの彼女・・・。

小柄でかわいくて、甘い声の香莉ちゃんは市川くんのお似合いだった。

つらい気持ちは抑えて、笑顔で言った言葉は・・・

「そっそうなんだぁ!おめでとう。」

‘‘おめでとう‘‘

つらくてつらくて、しめつけられるような思いだった。