世界一小さい恋

雄凪がいった。

「だって、俺、じつは美香に5回告ってやっとOKもらったんだ。4回ふられても絶対にあきらめなかった。そしたら、美香の気持ちを動かすことができて、今幸せで入れるんだよ!なのに、たった2回であきらめんな!」

雄凪の言葉は深く胸に刻まれた。

初めて本気で私にあたってくれた、雄凪。

いつも、私にきつい美香もだまって雄凪の話を聞いていた。

雄凪は5回のうち、4回もふられたのに、あきらめなかったんだ。

なのに私はたったの2回であきらめようとしてるんだ。

私はまだ、市川くんのことがすきなのに・・・。

気がつくと、本日3回目の涙を流していた。

「雄凪、美香、舞ちゃん。私まだ、市川くんのコトがすきなの。あきらめたくないの。」

自然と口から出た言葉。

やっぱすきなんだ。

市川くんのこと。

何回ふられてもいい。

何回泣いてもいい。

けど、絶対にあきらめて後悔するのは、嫌だ!!

後悔するのだけは・・・。

絶対に嫌。

だったら、何回もふられたほうがまし。

「ゆま。今は・・・今すぐには、告らないで普通に友達として接したほうがいいと思う。だけど、市川がフランスに行く前には、ちゃんと自分の気持ちつたえなよ。」

美香は優しい顔をして、私にそう言った。

「うん。」