その瞬間私の目には、彼が映っていた。

その彼とは、もちろん・・・いやまさかの「市川君」だった。

私は、寝ていたあとの寝ぐせ、泣き疲れて赤くはれ上がった目。

かなりビックリした。けど彼のほうがビックリしていた様子だった。

普段真面目で授業をさぼったコトなんて一度もない私が授業さぼって保健室で泣いていただなんて・・・というより数時間前に降った女と二人きり。

まるで漫画のような光景。

彼はちょっとせつない顔をして

「あっあぁ先生いる?」

「いない・・・けど・・・。」

保健室は静かになった。

彼の足をみると、膝から血が出ていた。

「あの・・・足・・・。」

「あぁ、ちょっと部活でけがしちゃってさぁ・・・(笑)」

バスケ部の彼はよくけがをする。

私は、保健委員長。

よく運動会で手当てをしていて、手当てをするんの慣れていた。

運動会もたくさんのケガの手当てしたっけなぁ。